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思い出を残しながら、これからの暮らしをつくる
この建物は明治の時代から受け継がれてきた家で、ばけばけの武家屋敷の附近です。
お客様にとっては、生まれ育った家。
柱の傷も、天井の色も、子どもの頃から見慣れた風景でした。
4年前、この家はお母様が安心して暮らせるようにリノベーションを始めました。
住み慣れた家で穏やかな時間を過ごしていただきたい。
そんなご家族の願いを込めた工事でした。
そして、お母様を最後まで見守り、お見送りされてから1年。
今度はご自身のこれからの暮らしを考える時がやってきました。
建て替えるのではなく、受け継ぐという選択
築100年を超える建物。
古いから壊す。
新しい家に建て替える。
それも一つの選択です。
しかしお客様は違いました。
「この家には思い出がある。」
「子どもの頃から見てきた景色を残したい。」
「できることなら、この家で最後まで暮らしたい。」
そう話してくださいました。
私たちも、その想いを大切にしたいと考えました。
古い家だからこそ、性能を見える化する
思い出だけでは、安心して暮らし続けることはできません。
これから先の20年、30年を考えると、
暖かさ。
安全性。
耐久性。
それらも欠かせない要素です。
私たちの古民家リノベーションでは、すべての建物で法チェックを行い、建物の状態を数値で確認しながら計画を進めています。
経験や勘だけではなく、建物の強さを確かめながら設計する。
そして断熱性能も高め、冬の寒さや夏の暑さを大幅に改善していきます。
築年数は古くても、これから先も安心して住み続けられる住まいへ。
それが私たちの目指す古民家再生です。
これからの人生を、この家とともに
家族を育てた家。
両親の仕事場だった家。
親を見送った家。
たくさんの思い出が詰まった家。
だからこそ、ただ新しくするのではなく、その記憶も一緒に未来へつないでいきたい。
私たちは建物を直しているのではありません。
その家に流れてきた時間と、これからの暮らしをつないでいます。
終の棲家とは、思い出を残せる場所
故郷に帰り、定年を迎え、親を見送る。
人生にはいくつもの節目があります。
その節目に住まいを見直すことは、残りの人生を見直すことでもあります。
明治から受け継がれてきたこの家で、
子どもの頃の記憶を残しながら、
これからの人生を暖かく、安心して暮らしていく。
そんな終の棲家づくりが、今始まっています。


母の暮らした台所 母の時代の舶来のベニヤ天井


母の事務机と書棚 母の事務所と母の部屋


母の部屋 仏間