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古い木材を一つ残すことは歴史が語れるんです。
昔の話ですが、家を建て替える時には、古い木材を一つは使うことで、先祖の苦労が報われるといいます。
お金の借りられない時代には、お金を貯めてから家を作っていました。
また、良き時代には「退職金」と言う物で定年時に新築や大規模修繕をおこなっていました。
そんな時代には、材木一本を買う為に質素な暮らし(飯と漬物を食って)でお金を貯めていたので、木材の再利用を殆どの部材でされていました。
現に、古民家を改修すると柱が大引きに使われていたり、お寺の場合には古い墓石を基礎石に使われたりしていました。勿論腐ったものは取り換えることは当たり前にされていました。
出雲大社の大桁などは450㍉×1200㍉もあり、かなり虫に食われいるように見えましたが、今回は取り換えられませんでした。ということは、あと60年後まで使用可能との結論だったと思います。
木造在来工法は、このように古いものを大切に使うことができる、最高の「SDGs」の考え方で物作りがされれいると思います。
古民家は地盤が固く安定している場所で、飲み水(井戸や湧き水)が近くにあり、自給自足できる田畑があるところに存在しています。
新しくそこに住まわれる方は、その先人たちの思いを想像して、より良い生活を送ってください。
上の写真は、古い大黒柱を再利用したら、親戚のおじいさんが後から来られ、懐かしがって大黒柱を撫でて帰られたようです。
軒下の丸太は、古い「縁桁」の再利用です。
丸太は角材の1.2~1.3倍は強度が高いと言われていますので、大空間が必要な時代には沢山使われてきました。その分大工の墨付けの技術が進歩したという事だと思います。