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「大工」以外に「小工」もあった!
当社は、江戸時代から13代続く歴史を持っております。上の写真のように、江戸時代の1740年、祖先の持田久之烝が宮の棟梁をしたとの記録も残されています。先祖代々、ここ出雲の風土、環境に合わせた家づくりをしてまいりました。
ところで、このような木の札は「棟札(むねふだ)」というもので、建物の建築や修繕の際につくられ、その日付や建築主、大工など仕事に携わった者の名などが記されています。下の写真は、1894年、明治時代の棟札です。
ここにある先祖の名前を見ていると、「小工」という文字が記してあることに気がつきました(右から二番目の赤丸です)。「大工」の名は、ほとんどの棟札で見かけるものの、この「小工」とは見慣れない言葉です。
そこで少し調べてみますと、小工(しょうく)とは「建物の修理などをする職人」を指す言葉のようでした。一方の「大工」は、棟上げなどの「新築」を手掛ける職人のことを言っていたのかもしれません。
この棟札に記載されている仕事を右から順番に見ていきますと、
大工=材に墨付をしたり、棟上げをする職人
小工=造作や修理をする職人
木挽=山から木を切り出し、製材をする人
檜皮=屋根葺き職人
となります。
「棟梁」の記載は見られませんでした。当時、そういう仕事はなかったのかもしれませんね。
ところで、昔は木挽が大工より偉いとされていたそうです。大工が読み解き、墨付けをする木を、まず木挽が切り、用意していたためです。ただし、これは大変な重労働でした。
それぞれの役割を果たす職人たちがいて、家づくりは成り立っているのですね。